クイズサークル「リンゴ農園」

クイズサークル「リンゴ農園」のイベント情報などを投稿していきます。

【リンゴ収穫祭2023】大会長挨拶

リンゴ農園で "園長" をしております、林檎です。

クイズと謎解きを趣味にしている、本業はエンジニアです。

大会長挨拶ということで、このイベントを開催するに至った背景や、このイベントで大切にしていることについて紹介します。

長い文章ですので、気になる見出しのところだけでもご覧いただければと思います。

リンゴ農園と収穫祭についてのご紹介

はじめに、リンゴ農園について簡単にご紹介します。

リンゴ農園とは、いわゆる「ラボクイズ*1」をきっかけとして生まれたオンラインクイズサークルです。

謎解きのコミュニティで生まれた友人が中心ですが、純然たる競技クイズコミュニティ出身のメンバーも加入し、現在は8人で活動しています。

 

そんなリンゴ農園の日々の活動で生まれたアイデアや問題を詰め込んで生まれたのが、この「リンゴ農園収穫祭」です。

昨年、「ラボクイズ」のコミュニティを対象にしたクローズドイベントとして第1回を開催し、ついに今年はオープン大会として実施することになりました。

いくつかのラウンドでは競技的なルールが採用されることもありますが、全体的にはラウンドポイント制を採用しており、ガチガチの競技クイズ大会というよりは「みんなでクイズをワイワイ楽しもうぜ!」というスタンスで構成されたクイズイベントです。

 

さて、リンゴ農園収穫祭2023では、昨年に引き続き "個性""実験" をコンセプトに掲げています。

 

収穫祭のコンセプト①:個性

このイベントでは、8人のリンゴ農園メンバーがそれぞれの思想・理念のもとに問題セットを作成しています。

多くのラウンドではそれらを均等に混ぜた形で問題セットが作成されますが、その際にイベント全体での出題ジャンルの偏りなどはほぼ修正されることはありません。

リンゴ農園収穫祭は決して競技クイズNo.1を決めるクイズ大会ではありません。競技クイズの "実力" を問えるような問題セットであることよりも、8人の農園メンバーの出題傾向が反映された問題セットであることが優先されます。

また、イベント終盤のラウンドであるPlayoffs / Finalsでは、「8人の農園メンバーのうち、誰の出題傾向と相性がいいか」を理解できていることで試合を有利に進められるようなルールを採用しています。

イベント中に出題される問題はすべて、誰が作った問題かがすぐにわかるようになっています。他にも各出題者との "相性" を判断するための情報は積極的に公開していきますので、事前に農園メンバーの出題傾向を知っておく必要はありません。是非ともイベント当日、お気に入りの出題者を見つけてみてください。

 

収穫祭のコンセプト②:実験

このイベントでは、イベントがもっと楽しくなる / 盛り上がるかもしれない取り組みを "実験" と呼び、積極的に取り入れるようにしています。

ここ数年のクイズ界では、大会の質を向上させたり、クイズでできることを拡張するような(主には技術的な、たまには運営努力によって実現された)取り組みがいくつか登場してきました。

「abc」では早押し席の前にランプと対応したLEDが設置されたことにより、配信でも解答権を取った人がわかりやすくなりました*2し、「hayaoshi」システムの登場は、より多くの人が早押しクイズに解答者として触れられるような大会構造を現実的なものとしました*3。直近では、「大会中の問題表示にスラッシュがすぐに入り、即日記録集の速報版がリリースされる」といった取り組みも話題になりましたね*4

収穫祭では、こうした「クイズイベントを取り巻く技術やスタッフ運営」について、リンゴ農園の日々の活動や議論の中で生まれた様々なアイデアを "実験" として積極的に取り入れるようにしています。

例えば昨年の収穫祭2022では、

  • 得点表示と連携可能な早押し機を自作し、
    • 正誤判定と連動した得点の自動更新を行うことで、スタッフ業務を軽減させるとともに、クイズそのものの密度を向上させる
    • スクリーン上で解答権がある人を確認できるようにすることで、客席に勾配のない会場でも誰がボタンを押したか瞬時に理解できるようにする
    • ボタンを押したときのタイム差を表示することで、ボタンの押し合いの緊迫感をデータで伝える
  • スマートフォンを利用した全員参加の早解きクイズを導入し、多人数が同時に参加できる競技的なルールを実現する
  • 誰がどの問題に正解したかを出題者別に集計し、参加者ごとに出題者別の "相性" を確認できるグラフを提供し、大会コンセプトでもある出題者の "個性" を数値から理解できるようにする

などを導入していました。昨年の参加者の感想は Twitter #リンゴ収穫祭 でご覧いただけますが非常に好評で、最終的には農園メンバーの数人がスタッフを務めた「大分クイズオープン2022」に早押しシステムを "輸出" するに至りました*5

 

クイズイベントは「問題」「出題者」「解答者」がいるだけで面白い、というのは言うに及びません。しかし、そのクイズの面白さを余すところなく受け取ってもらえるための努力や、面白さを増幅させるような仕掛けは、クイズイベントを充実させる大切な要素であると考えていて、それが収穫祭の2つ目のコンセプトである "実験" の目指すところであるという訳です。

  • 実施可能なクイズの幅を広げる
  • 参加者が感じるちょっとした不便さを解消し、便利や驚きを提供する
  • 観て楽しいクイズのために、必要な情報を補う
  • イベント運営をよりスムーズにし、コンテンツそのものの密度を上げる

など取り組みは多方面に及ぶことになりそうですが、「いつかこんなクイズイベントができたらいいな」を少しでも具現化できるように準備を進めていますので、お楽しみに!

最後に

リンゴ農園収穫祭は最後に1人の優勝者が決まるイベントです。

このイベントにふさわしい決勝の舞台を全力で用意させていただきます。

 

しかし、僕たちが何よりも重要視していることは、当日会場にお越しいただいた48人全員が楽しんでくれることです。

 

良い成績だった人もそうでない人も、「今日のイベントは面白かったな~」と思って帰っていただけたとしたら、このイベントは大成功です!

 

このイベントにお越しいただいた方にとって、お気に入りの問題でもルールでも "実験" でも、何か1つでも心に残るものがありますように!

 

リンゴ農園一同、皆様のお越しをお待ちしております。

 

リンゴ農園 園長

林檎

*1:古川洋平さんをはじめ現在でいうクイズ法人カプリティオのメンバーが中心となり、イベントスペース「ヒミツキチラボ」で開催されていたクイズイベント、およびそれをきっかけにうまれたクイズコミュニティのこと。

*2:こちらの動画などで確認できます:

youtu.be

*3:hayaoshiについて、少し前の記事になりますがこちらをご覧ください:

新・クイズシステム「hayaoshi」開発者・鶴崎修功さん(1)「PC に繋げられたゲームパッドを早押し器として利用し、事前に録音された問読み音声で早押しします。」 | Quiz Do

*4:IRODORI ONSTAGE。記録集についてはコチラから

*5:こういった事情から、大分クイズオープン2022の記録集にSpecial Thanksとして名前が載っていたりします。